《MUMEI》 徹は、出てきたケイトをきつく抱き締めた。 それは、周囲からは、『久しぶりに会った恋人達の熱い抱擁』に見えたかもしれない。 しかし… 「何、結局『失敗』?」 「うるさい、たまってるんだ… さっさと、ヤレよ、『いつもの』」 部屋の中に入った二人の会話は、そんなものとは程遠いものだった。 ちなみに… 二人の会話は、英語で交わされている。 しかし、徹は、ケイトに、ベッドで使うようにと…二つだけ、日本語の単語を教えておいた。 それ以外は、何も言うなとも、頼んでいた。 それが、徹がケイトと付き合う理由だった。 「明日は、徹が私に尽くしてね」 「…わかったよ」 二人は、そこまで英語で話すと、ベッドに上がった。 徹は、いつものように、アイマスクを付けて、仰向けになる。 そんな徹の体に… ケイトが跨って、 好きなように、愛撫を始めた。 ケイトは、経験豊富で、男が悦ぶ方法を、心得ていた。 しかし、徹がケイトと寝るのは、それが理由ではなかった。 前へ |次へ |
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