《MUMEI》
変わり出した
「大掃除が終わったら、体育館へ行くよーに。以上」





キーンコーンカーンコーン







いよいよ、明日から夏休みだ。
今年は何をしよっかなあ…












―第三章:変わりだした―




















「葵央!夏休みどーしよっか?」

大掃除が始まって、私が教室の窓を拭いていると、咲花が濡れた新聞紙を持って、私の隣りにやってきた。


「んー。とにかく、宿題を早く終わらせる!」
「あはは、葵央らしいね」

他愛ない話しで盛り上がっていると、後ろの方で男子達が大声で、私達と同じ話題で話してるのが聞こえた。


「夏休み何しよっかあ」
「俺は毎日、海いく!」

「お!いーじゃんかそれ。陽介は?」

「俺は部活やなぁ〜」


上田君は転校してきてから、すぐ皆に打ち解けていて、いまじゃ人気者になっている。部活も陸上部に入ったらしく、放課後毎日練習に汗を流してるみたい。

…どーでもいー事だけどね。








「あ、の!上田君!」

突然、女の子の声がして、今まで騒がしかった教室が、一瞬シーンとなった。


私と咲花も話すのを辞め、その声のする方をみる。



教室の入り口の所に、3人ほどの女の子達が立っていた。

「え、なん?俺?」
「あっ、えっと…はい!」


シーンとなった教室の様子に、凄く戸惑ってるみたいだったけど、上田君が直ぐにその子達に反応して教室の外に出たので、また教室はざわめき出した。





「何なに?!めっさ可愛かったなっ」
「告白だよなー良いなー、陽介は」

男子達が色々と噂を立てていたが、私は耳も向けずに直ぐにまた、窓拭きを開始した。



「上田君モテモテだよねぇ」

咲花が私に向かってボソッと呟いてきた。

「うん、そーだね。」
「カッコいいもんね」

「うん。そだねー」


素っ気無い返事をすると、咲花は苦笑して

「ほんっとどーでも良いんだね。」
て言いなが、私の肩を軽く叩いた。

「あ、でも。上田君とは結構普通に絡んでるじゃん!」

苦笑していた顔がパッと明るくなり、咲花は楽しそうに、そう私に振ってきた。

「そーかなぁ?」

「うん!隣りの家だからかな?」
「あー、そうかもね。」

「それって葵央!進歩だよー!」

一人で『やったあ』『おめでとう』とテンション上がりまくりできゃはきゃはしている咲花。そんな咲花に、ただ苦笑する事しか出来なかった。

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