《MUMEI》

「ここの数字を見て欲しい」
チケットに記された俺の名前の左上に、『101』と書かれていた。
「これは、101番目に振り出したチケットということを意味しているんだ。つまり、君は101人目の参加者だ」
「はあ・・・」
「でもね、チケットは、100枚しか作られていないんだ」
「・・・・・・!!」
「だから、君が持っているチケットが存在しているのは、有り得ないことなんだ。本来なら、101枚目のチケットは無いはずなんだからね」
風に乗って俺の元にやってきたチケットは、存在しないはずのものだった。
存在しないのだ。
存在しないチケットは、チケットであって、それではない。
実は、結構楽しみにしていた。
なんたって、ゲームの中に入る感じらしいから。
きっと、面白いはずだと思っていた。
存在しないチケット無効だろう。
俺は、このゲームに参加できない。

前へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫