《MUMEI》

「でさ〜、これからどうする? 私達」

「? だから、明日は俺がお前に尽くすんだろ?」

ケイトの言葉に、徹は首を傾げた。

「今日明日の話じゃなくて、将来の話よ」

「そうだな〜」

付き合う理由が理由だけに、深く考えていなかった。
ただ、ケイトといると、徹は本音を言えるから、気楽ではあった。

「まぁ、俺達まだまだ若いし…

そうだ!」
「何?」

ケイトは頭のいい徹がどんな名案を思いついたかと、期待した。

「25までにお互い他に好きな奴できなかったら、結婚するか」
「何で、25?」

ケイトの質問に、徹は

「志穂が再婚した年だから」

と答えた。

ケイトは呆れたが…

「いいわよ。その時までに、徹が私をベッドでも『ケイト』って呼んだらね」

と言って、ウインクした。
実は

偶然にも、ケイトの本命が姉と結婚したのも25の時だったが、それは徹には言わなかった。

「お互いさまだろ、それ」
「そうね。とりあえず、明日はまた『いつもの』で」
そう言って、ケイトは徹にもう一度、ウインクした。
徹は、それを見て、

「はいはい」

と、笑った。

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