貴方の中の小悪魔
を知る神秘の占い

《MUMEI》

(最近おかしなことばっかだ)

彼女――水菜空音は考える。
考えれば考えるほど、こんがらがってくる。
元々深く考えることは空音は得意ではないのだ。

最近彼女の周り、否、彼女自身に妙に声がするのだ。
しかも彼女以外には聞こえないという、なんともファンタジックなものだった。

昨日も聞こえた。
思い出しても途切れ途切れで、でも自分の名前を呼ばれているような不思議な感覚に陥るのだ。

(迷惑だ)
確かにその声によって寝不足ほどまではいかないものの、数時間しか寝れなくなっていた。
空音は性格に似合わず、なかなかの怖がりだった。


「そら… が ふふ、そ いつ も」
(あ、まただ)

ここ数日はだんだん慣れてきた空音だが、
その心臓は普段よりはやく動く。
(怖いっていうか不思議っていうか)

空音はその声に懐かしさと寂しさをいつも感じていた。

次へ

作品目次へ
無銘の作品を探す
無銘文庫TOPへ