《MUMEI》

赤い線は茶の間から台所に繋がっていた。


以前裏口から眺めていた家族団欒の場は、赤一色に塗り固められており…

波平の拳が幾度となく振り落とされたちゃぶ台も、今は赤く染まっていた。


正面に見えるキッチンにも飛血し、なにかが逃げ惑ったような…這いずり回ったような跡がそこかしこにあった。

「…これは、やばいよな…致死量とかそんなもんじゃないよ…警察に…」


その時、体がビクリとした。

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