《MUMEI》

―大島家

『つっっかれたぁ〜。』

「お前、運動神経は現存だったんだな。」

カズ兄。

『…それしか取り柄ないし。あ、あと図工♪』

「図工は中学にないぞ。」

『技術と美術があるのですっ。』

「果たして成績は…って、体育祭終わったらテストじゃねーの?」

『…最悪。』


…とりあえず体育祭は無事に終わったな〜。

楽しかった♪

疲れてるのは、その後の部活と…

あの二人の話…かな。

いや、さつきはいいんだよ、正直に話してくれたし。

篠崎…何があったんだろう。

ん〜…ホント身に覚えがない。

でも、逃げないでちゃんと言ってくれたよね。

あれって結構、勇気の要る発言だったと思う。

…ありがとう、さつき、篠原。


あ。


『ねぇ、カズ兄。』

「あぁ。」

『さつきは別として…サユや佳代、孝太の事覚えてる?あたしとタメで、学童に居た子なんだけど。』

「これが覚えてるもんなんだよね〜、顔と声でわかった。だってお前らまだ小学校卒業して2年でしょ?(笑)」

『そうだけど…よく覚えてるじゃん!』

「まず沙弓は一発でわかったね、お前とどんぐりだし。佳代はあのクリクリの目だろ、で孝太のイケメンを台無しにするあのふざけた態度は変わらないし、しのさk…みんな面影があるよ。」

『今なんてった?』

「何も。」

『嘘、聞こえたよ!篠崎って言おうとした!』

「…昨日お前が篠崎どうこう言って来たせいだろ。」

『そっか…な〜んだ。』

「…それより一葉、お前あいつらに余計な事喋ったろ。」

『ん?…あ、カラオケ?でも、事実じゃない。』

「必要のない事まで言わんでよろし。」

『あんな場に妹を連れてくなんて、カズ兄の不覚悟ですっ。』

「うるさい。それより…そうだ一葉、なんで麻子(アサコ)が来るって言わなかったんだよ!!」

『…誰?それ。』

「井上麻子だよ!!忘れたの?殺されるかと思ったわ。」



イノウエって言った?



"…お姉ちゃん来てる。"



"ああいうのって、所謂…"



所謂、…



修羅場。



お も い だ し た !

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫