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《MUMEI》 カラリとドアが開く音がした。 「あら、滝ちゃん。久しぶりね」 「こんにちは、安形先生。今日もお美しい」 「誉めてもお茶しか出ないわよー。山之辺さんも、お茶にしましょう」 「はーい。温めで」 紅茶を用意する安形先生の姿は見えないが、隣に誰かが座った。 「こんにちは、山之辺さん」 「はぁ…どうも」 滝ちゃん…多分2年か3年だな 「こっち向いてよ」 「眼鏡壊れて見えません」 「僕が見たいの」 顎に手を添えられ、先輩の方を向かせられた。 「ふぅん…可愛いね」 「滝ちゃんは、何年生ですか?」 「2年だよ」 「去年留年したのよ」 「それは言わないで欲しいなぁ安形先生」 コポコポとお茶を煎れる音がした。 「お砂糖いる〜?」 「俺ストレート派だから」 「僕もいらない」 「はい、山之辺さん。こぼさないでね」 水で薄めたのか、温めでコップの半分までしか入っていない紅茶を渡された。 「セイロンティー、かな?」 「当たり」 「山之辺さん、名前は?僕は滝沢遊津」 「山之辺翼。ゆうつって、変わった名前だな…」 前へ |次へ |
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