《MUMEI》

紅茶を早々に飲み終わり、手探りでカップをテーブルに置く。
途端、グイッと抱き寄せられて遊津先輩に抱きしめられた。
顔が近い。
あと数センチでキスされそうな位だ。
「…見える?」
「一応」
青い眼だ。
「翼ちゃん、お姉さん居るよね?」
「うん、3年の山之辺一美」
「同じクラスだったんだ」
頭を撫でられて、顔は離れた。
「それにしても、綺麗な茶色の髪だね。染めてるの?」
「地毛よ」
安形先生の声が聞こえた。
「滝ちゃん、学校内でキス以上はだめだからね…山之辺さんも、気をつけた方がいいわ。滝ちゃんは女の子を見たら見境ないんだもの」
「それって、僕がナンパ魔みたい…」
「ナンパ魔、でしょ?」
「…はい」
「へー、遊津先輩はナンパ魔なんだ」
ガックリとした雰囲気の中、俺はスリッパを脱ぎ捨てて体育座りをする。
「山之辺さん、下着見えるわよ?」
「スパッツ履いてまーす」
元々短い制服のスカート。
なんでも、公募されて採用されたらしい。
市内では憧れの制服らしいが、俺にとってはどうでもいい。

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