《MUMEI》

「なにしてるのよ、滝ちゃん」
「安形先生、おかえり」
翼は笑顔で挨拶。
「いつの間にラブラブになってるわけ?はぁ…保健室はカフェやホテルじゃないの!」
「ほてる…宿泊施設?熱っぽい?」
「翼ちゃん…辞書引くの止めた方がいいと思うよ」
「…まぁ、中学卒業まで入院してたから仕方ないとは言えるけどね」
「…え?」
初耳、と言っていいらしい。
「病気でな。ずっと点滴とベッドのお世話になってたんだ」
「じゃあ、何も知らなかったの?」
「何が?」
「一般生活」
「ん〜わかんねぇ」
「…ゴメン」
ギュッと抱きしめたら、プチンと何かが弾ける音がした。
「うぁ…ブラのホック外れたみたい」
「あらあら、また大きなサイズの着てたの?」
「だって、お気に入りなんだ…」
「はいはい、女子ベッドルーム行って付けて来なさい」
「はーい」
隣の部屋へ姿を消した翼。
「安形先生、翼ちゃんって何の病気だったんですか?」
「気管支が弱くてね。肺炎状態が続いてたの…今は日常生活なら支障はないけど、体育はドクターストップよ」
「…走れないのか」
「発作が起きると、階段さえ登れないわ」
安形先生は、とっととパソコンへ向かった。

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