《MUMEI》
出陣
「私達は先行するから、各自の判断で動いて!!」
進軍を始めて数分、彩詩以下、主だった者たちがそれぞれの最大速度で戦場へと急ぐ。
「集めた意味あるのか・・」
「取り合えず、どうする?」
琴と狩月もランニング程度の速度で走りながら会話を続ける。すぐ後ろにはボンカーや想花の姿もある。
「急ぐって行ってもな・・俺らじゃキツイぞ?」
「マラソンは嫌いだよ〜」
ボンカーと想花は今のペースでも結構辛そうにしている。
「想花、テレポ〜とか出来ないのか?」
「ん〜・・向こうで明確な位置補正出してくれれば出来ないことも無いけど・・」
「位置補正・・・ロシュ、コレ持って全力でダッシュだ!!」
ボンカーがロシュに向かって不思議な色をした球体を渡す。
「あん?コレ持って走ればいいんだな?」
「なるべく全力で頼む!!」
「おっしゃぁぁ!!任せろ!!」
ズドドドドドドド・・
砂埃を巻き上げながらロシュが疾走していく。
周りの者が道を譲るような豪快な疾走・・
「よし、ストップ。」
ボンカーが走る速度を緩め、狩月や琴たちもそれに続く。
「ミニスフィア持ってたんだ。そう言うのは早く言おうよ!!」
「ミニスフィア?」
「小型の座標安定装置。テレポとかをする際の道しるべになるんだよ。あんまり距離が離れると効果が無くなるけど・・ギリギリの距離でテレポを繰り返せば、走るよりはずっと楽!」
そう言いながら想花は詠唱を始める。
ロシュが持って走って行ってからの距離をダイタイで捕捉しながら想花がタイミングを測っている。
「ボンカー、アレのナンバーは?」
「000・239・1E3だ。」
紙を取り出しながら読み上げるボンカー。
「了解〜飛ぶよ

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