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《MUMEI》 栄実を縛り付ける過去〜海視点〜 麗羅ﾁｬﾝに手を振った後ｸﾙﾘと向きを変え 歩き出す栄実を麗羅ﾁｬﾝは切なそうな顔をして見送っていた｡ 麗羅ﾁｬﾝに背を向けた状態で栄実は歩き続ける｡ 下を向くこともなく栄実は歩くｽﾋﾟｰﾄﾞを上げる｡ その隣で､栄実の肩が小刻みに震えているのを 栄実の瞳から､幾筋もの水が流れ出ていくのを 俺は静かに見ていた｡ 恐らく､麗羅ﾁｬﾝに泣いているのが分からないよう 必死なのだろう･･･｡ 暫くの間､栄実は下を向くことも 涙を拭うこともしなかった｡ 栄実をこんな風に縛り付けてしまった過去が その過去に俺が大きく関わっているという事実が憎くて仕方なかった｡ 栄実をもう一度､自由にしてあげられたら･･･｡ 前へ |次へ |
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