《MUMEI》
「赤玉とー、タンナルビンとー、(下痢止め)ポカリ!」
薬局の袋から一個づつテーブルに出していく。
「本当ゆうちゃんは優しーなあ、もう涙で眼の前が霞んで見えねーよ!」
「つか泣いてねーし!俺はー…、ビール!」
コンビニの袋から一リットル缶をどーんと出し、プシュッと開ける。
「うお!今は見たくもねーアルコールじゃまいか!」
「ピザにはビールだよねー!…あーめっちゃ美味しい!」
熱々のピザを一人抱え込み食べては飲む!
秀幸はポカリを飲みながらモソモソとお粥を食べている。
さすがに皿に残ってたのは捨てて鍋に残ってた分を温めたやつだけど。
「さっきゆうちゃんいねーときよ、一緒に明け方まで飲んでたダチからメールきてな」
「うん」
「吐いたり下痢したりしなかったかって…、どうやら向こうは点滴する程重症らしい」
「え?つか秀幸は?」
「俺は下痢だけ…、あーきっとなんかで当たったんだ!もう二度とあの店には行かねえ」
秀幸はお粥を仕上げた!
完食偉い!
めっちゃ嬉し〜い!
「でさ、誰?」
「ん?」
「ダチだよ、俺知ってる人?」
秀幸は煙草に火をつける寸前のまま、煙草をくわえたまま硬まった。
「は、女?」
「いや…、男…」
秀幸はライターを何度もカチカチとつけるが火が何故か上がってこない。
俺は自分のジッポのライターをカチとつけ、秀幸の煙草に火をやった。
「じゃ、名前」
「はあ…」
秀幸は煙草の煙を吐き、また大きく吸い込む。
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