《MUMEI》

罪悪感に塗れながらトイレから出ていく。

俺は最悪だ。


玄関先で見覚えがある塊がいた。



「遅いぞ」

佐藤だった。
膝を抱えて待っているように見えた。

「佐藤……、なんか違うだろう。」

折角、格好よく去って行ったのに。

「俺を置いていくなんて百年はぇーよ。」

百年て…………俺、身分低いな。

「腰は?」

抜かしてたのに這ったのか?

「…………見くびるなよ。」

怒らせてた?
怒っているようなオーラは醸し出しているんだけれど、俺の真横に付いて離れない。

「……懐いたな。」

うん、懐いた。
なんでこんなに……

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