《MUMEI》

カチャリとドアが開き、シャツを羽織っただけの翼が姿を現す。
小脇にブレザーとネクタイを抱えている。
「ねー遊津先輩、ボタン留めてー」
わずかに留めてあるボタンも、全て段違いだ。
「なんて格好で…」
「何も見えねぇんだよ」
「おいで、翼ちゃん」
遊津が手をとり、ソファーへ案内。
1からボタンを留め直す。
途端、ドアが開いた。
「安形先生、翼見なかったぁ?」
「ソコでラブラブよ」
「姉ちゃんの声だ!」
「…遊津、君?」
「こんにちは、山之辺先輩」
最後のボタンを留めて、ネクタイを巻いている。
「翼に何してんのょ」
「いや、眼鏡壊れたみたいでね。ボタン留められないって言うんだ」
「姉ちゃんごめんなー。レンズ取れちゃったんだ」
ブレザー位自分で着ようと試みるが、大きなボタンはまたも段違い。
「…はぁ、よりによって遊津かぁ」
「ほらほら翼ちゃん、また掛け違えしてるよ」
「むー」
おとなしく遊津の手を借りて、ブレザーを着る。

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