《MUMEI》 「会ってほしい人がいるんだ」 そう言って笑う大の視線の先には、ベンチに座る志穂がいた。 志穂は、二人を見付けると、立ち上がり、お辞儀をした。 志穂の容姿は、楓とは正反対で… 志穂の姿を見付けた楓の頭の中には、 『彼女』『結婚』 の言葉が浮かんだ。 「…楓?」 楓の足が止まったので、大が声をかけてきた。 「相談って、彼女の事?」 楓の質問に、 「あぁ。実は志穂は…」 大が、答えようとすると 「ふざけないでよ!」 パァン! 楓が 大の顔を 思いきり 叩いた。 「え? あの…」 頬を押さえる大に、 「恋愛相談に呼び出さないでよね!」 楓はそう叫ぶと、公園の出口に向かって、駆け出した。 呆然とする大の背中を… ドンッ 今度は… 志穂が押した。 志穂は、無言で楓の走っていった方向を指差した。 「何…『行け』って?」 大の質問に、 志穂が大きく頷いた。 前へ |次へ |
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