《MUMEI》 「かわいーんだ……」 はい? 藤田の手が頬に触れた。 「や…………」 藤田、変だ、いつもより変。 体温が熱くて、皮膚が引っ付いてくる。 顔が引き攣る。 それに気が付いてすぐ離れた。 「……ワリ。佐藤があんまりアレなものだから。」 アレってどれ? かつてこんなにも藤田と帰って緊張したことがあったろうか。 お前はまだ知らないんだ。 この距離感、俺は何を考えているのか。 「お前、知らんだろう。俺の二つ目の気持ち。 裏切られて……寂しくて、悔しくて。 それでもお前のキスが1番忘れられなかった。 藤田みたいにしたい。俺の理想……」 前へ |次へ |
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