《MUMEI》 放課後。 「大志、いる?」 突然のクイーン…果穂の登場に、皆驚いていた。 …大志を除いて。 大志の頭の中は、これから行くバイトの事でいっぱいになっていた。 大志は、果穂に、 「すみません、これからバイトなんで」 と言って、果穂の横を通り過ぎ… ガシッ ようとして、止められた。 「はなして、もらえますか?」 「…嫌だって言ったら」 果穂は、両腕を大志の腕に絡めた。 「すみません、急ぎますんで」 「あら…」 大志はその腕を簡単にはずすと、廊下を走っていった。 「ふうん、意外と力もあるのね。 …逃がさないわよ」 果穂は、妖しく微笑んだ。 前へ |次へ |
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