《MUMEI》

意識がはっきりするにつれて、大志は、断片的ではあるが、昨晩の事を思い出した。

出会ってから毎日、果穂に食事や飲みに誘われていた大志だが、『お金がありませんから』と、断り続けていた。

ある日、果穂が普段はどうしているのかと質問してきたから、食事は自炊だし、飲みたい時はコンビニで缶ビールを買って、自分のアパートで飲んでいると大志は答えた。

すると果穂が、大志のアパートに行くと言い出して…
大志は、自分のアパートは狭いから駄目だと断ると…
『じゃあ、私のマンションで』と言われて…

大志が『それは、悪い』と断ると、果穂が大志の料理が食べたいとか、何とか…
とにかく、果穂の勢いに負けて、大志は、途中で買い物をして、果穂のマンションに行った。

大志は、料理を作ったところまでは、覚えていた。

それから、二人で缶ビールを飲み始めて…

果穂が、『秘蔵のワイン』を持ち出してきて…

普段飲まないワインに、すぐに大志は酔ってしまって…

果穂に、支えられて寝室に行って…

『苦しそうだから』と大志のシャツのボタンを果穂が外し始めて…

水を…果穂が…何故か、口移しで飲ませて…

…その後の事を思い出し、大志は赤面した

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