《MUMEI》
解かれし封印
        ―図書室
2人は、本棚を整理していた。

「古い本は、カウンターの上に置いてて。」

「は〜い」

ありすが、カウンターにいくときに本が上から落ちてきた。

ドサ!

「わっ!!…ててっ…」

「大丈夫!?」

落ちてきたのは、でかくて分厚い、うす汚れた本だった。
「もぅ!!ゴホゴホ…何?……本?ん?《勇者……クスが封…し禁…の本》なんだコレ。」
「どうしたの?ありすチャン…小さい文字で何か書いてあるよ。」

ありすが《開けるべからず》と書いてあるのを見ると、何やらよからぬ事を思い付いたらしく、

「梨恵…開けてみよ!」

「いけないよ!!《開けるべからず》って忠告もしてるんだよ!!」

即答、拒否だ。

「いいって!開けるよ、せぇ〜の!」

バサ…

全ページにギッシリ「魔方陣」が書いてあった。

「何…コレ…魔方陣の本?」
「つまんなぁ〜い」

閉じようとした瞬間、

ピカッ!!!

「わっ!!!」「きゃっ!!」

光ったと思うと、本から一斉に宝石のような光が飛び出してきた。
そして、周りにあった本に入っていった…

「何…?」

「分かんない…きっと夢だよ!!」

ほっぺをつねったりした。
しかし、夢では無かった。

「よくやってくれたな…」
後ろで声がした。
振り返ると……

『!!!』

タキシード姿の、二十歳ぐらいの男の人が立っていた…

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