《MUMEI》 隣にいる意味〜海視点〜 栄実が隣に座ったのを確認し、俺は口を開く。 「栄実・・・麗羅チャンと何かあったの?」 栄実は、下を向き困ったように笑い 「何でもないよ・・・。 ただ自分との約束を守ってるだけだよ。」っと言ってまた笑った。 栄実の辛そうな笑顔を見る度に、俺の胸に黒く鋭い針が突き刺さる。 俺は、痛みに歪めた顔を隠すため下を向いた。 だったら何で・・・!! 何でそんな辛そうな顔で笑うんだよ!? 本当は自分でも、気づいてるくせに・・・。 でもこれは俺が言えることじゃない。 だってそうさせてるのは俺の責任でもあるのだから・・・。 でも、こんな栄実の隣に居て何も出来ないなら 隣に居る意味なんてない・・・! 今、何も栄実に言わなかったら、栄実はこれからも無理して笑うだろう。 それだけは、我慢できないんだ・・・。 前へ |次へ |
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