《MUMEI》 「こんにちは」 「こんにちは」 トイレから出てきた志穂は、笑顔で挨拶してくる『女の人』に、挨拶した。 「偉いわね。お嬢ちゃん、お名前は?」 「たかやましほ。さんさいです」 志穂は、はきはきと答えた。 「…そう」 『女の人』は、志穂の頭を優しく撫でながら、 「あのね、お姉さん、ちょっと困っててね。 志穂ちゃんに、手伝ってほしい事があるの」 「なんですか?」 志穂は、首を傾げた。 「ここじゃ、無理なの。 …一緒に来てくれる?」 「あ、あの、でも、かあさんにきいてみないと…」 『女の人』が志穂の腕を引っ張ったので、志穂は慌てた。 「大丈夫よ」 そう言って、『女の人』は志穂に一枚の写真を見せた。 そこには… 今より若い大志と果穂の間に一緒に写っている、『女人』がいた。 三人とも、笑顔だ。 「おねえさん、とうさんとかあさんのおともだちなの?」 「そう、だから、大丈夫よ」 そう言って、 『女の人』 桜子は、志穂の手を引いて、歩き出した。 桜子の言葉に安心した志穂は、抵抗しなかった。 そんな志穂に桜子は… 「本当に、いい子」 と、呟いた。 前へ |次へ |
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