《MUMEI》

なんだよ、否定しないのかよ。

…イケメンだけどさ。

にしても、花見てる姿で良い人とか。

…一葉は変わらないんだな。


『着いたね。』

「うん、ありがとう!」


懐かしいな、ここ。


「あったあった。」

『それじゃあ出発♪』

「うん!」


ここの隣の公園、少し遠回りになるけど、一緒に帰れた日は必ずここまで送ったな。


「あの…ごめん、場所説明してなかったよね?でもわかったんだ?」

『俺んち、割りとここの近くなんだ。空き地って言ったらここかな〜ってね。』

「そうなの?!」

『…うん、さっきの道右に曲がって、少し行ったとこ。』

「へぇ〜…けっこう学校と近いんだね♪」


…少しでも一緒に居たくて。


『…なぁ。海、行かない?♪』

「え?!」







「うっわ、綺麗だね〜!今年初♪」

『うん、俺も♪』


俺は一葉を支えたい。


「…。」

『…。』


色んな障害から救ってやりたい。


「…そう言えば、今日のあれも真治くんなんだって。なんであんな事しちゃうんだろうね〜、もったいない。」


色んな…変な虫からも。


『…どうせ花火もあいつでしょ?(笑)』

「それは聞けなかったけど…サユや佳代がそう聞いたって。」

『じゃ、そうだろ。』

「…聞かされた時は、やってくれたな〜って思ったよ。でも、さっきあたしが自分で言った事を振り返ったら…。」

『振り返ったら?』

「1人くらい…そうじゃないって信じる生徒が居ても、いいんじゃないかって思った♪」


…失敗。


『そう言うなら…違う可能性に賭けても良いな。もし本当だったら、慰めてあげるから安心して♪』

「へぇ…ありがと♪(笑)でも、へーき!あたしが勝手にそう決めただけだからっ。」


いつも平気って言うんだな。

昔は…大丈夫って頑張って見せてた。


『…他人(ひと)って何考えてるかわかんないよな。』

「え?…うん。でも、知らなくて済むならその方が良い事も、きっとある…よね。」




守りたいと思う理由。


一葉が好きだから?


異性として。


友達として。







”痛いっ…。”

”あ…ごめんね!!”

”…んーん、だいじょーぶだよっ。えと…”


”オレ、朝倉大和!えーと…”

”…いちは。…大島一葉ですっ。”


”…一葉、友達になって!!”

”…うん!一緒にあそぼ、…大和くん!”












…違う。

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