《MUMEI》 一樹と麻子〜♪ 何?メール?カズ兄? 「シキュウ オウエン モトム」 (当時のこれは、カタカナ20文字まででした) 何これ、いつの時代の人だ。 〜♪ また… 「シキュウ コナイダノ カラオケニ コイ」 『…やだ。ゆっくりしたいのっ。電話電話…。』 … 『出ないし…はぁ。』 今日は日曜日。 部活を終えて帰って来て、のんびりしてた。 なのに… あ〜さっぱりした。 シャワーから上がり、着替えて準備を済ませ謎の電話を確認した。 何この着信の数。 … 『あ、カズ兄?』 「お前何やってんの?!今どこ?!」 『電話、出てくれないから仕方なく準備してたとこ。うちに居るよ。』 「はあ?!…わかったから早く来て!今トイレに隠れてんの!じゃあ待ってるから!」 『なっ…。』 切られた。 「一葉ちゃん!」 『あ〜、こんにちは♪あの、カズ兄に呼ばれて来たんですけど…。』 ホールにカズ兄の友達が居た。 「やっぱり(笑)あいつら今修羅場だから助けてやって♪部屋はあの角のとこ!」 あいつら? 修羅場? 『え?助けるって…?』 「ほんっとにたまたまなんだけど、鉢合わせちゃって(笑)俺らじゃ埒明かないからさ〜。頼んだ♪」 『誰と鉢合わせたんですか?てかあたしが助けるんですか??』 「…行けばわかる!今は聞かないで!ごめんね!」 な、なんなの?(泣) コンコンッ 『カズ兄〜…』 … 『っ!!』 葉子ちゃんのお姉さん… 井上麻子だ…! カ「よ、よぉ一葉♪」 麻「あれ?あの子…。」 あたしは体育祭最終日のあの日、家でカズ兄が口にした「井上麻子」で全てを思い出していた。 葉子ちゃんが見た事あるって言ってたのもそのせい。 忘れていたのが不思議なくらい、あれは強烈だった。 カズ兄の友達が、名前を明かしてくれなかったのも納得。 明かされてたら… 回れ右で帰ったもん、あたし。 前へ |次へ |
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