《MUMEI》
覚醒
「マグレで避けていい気になってんじゃ・・」
煌々と残酷な意思を宿した瞳。
「・・・・そう?」
くすり、と嘲笑うような、無邪気な、自然な微笑みを浮かべ・・
ギリスの片腕を斬り飛ばす。
「ぎゃあああああああああ!!!!!!!!!」
「あはははははは!!くすくすくす・・くくく・・きゃはははははははは!!」
壊れたような笑声。
倒れこむギリスを、さも可笑しそうに笑いながら、冷酷に、残酷に・・
無慈悲に、転がった片腕を踏み躙る。
「次は・・誰が相手ですか?」
長剣を鞘に収め、アルトレアに振り返る。
苦しげな、何かを抑えているような呼吸と・・愉悦に崩れ堕ちた吐息。
ロゼの纏う魔力が不安定に揺れ動き、際限なく溢れているようにも見える。
「さぁ・・・次は?」
アルトレアの沈黙に対し、もう一度質問を繰り返すロゼ。流血を望むような瞳と見る者を怯えさせる狂気を孕んだ微笑。
「ヴィア、剣を。」
アルトレアがヴィアから自身の剣を受け取るとゆっくりとロゼの前へと出て行く。
「貴女が相手ですか?良い声で泣いてくださいね・・」
再び構えられる長剣と狂気に染まったかのようなロゼの言葉。
「・・・ロゼ皇帝、貴女を・・討ちます。」
わずかな迷いを捨てるように断言するアルトレア。
「がああああああ!!!」
ギリスが罵声を上げながらロゼに向かって銃を構え、引き金を引こうと・・
ズシャリ・・
一瞬にして間合いを詰めたロゼの左腕はギリスの体を貫き、その手に赤い塊を持っていた。
「黙れ、無礼者。貴方の声は聞き飽きてるの。」
「な・・・に・・」
「消えなさい。」
グシャリ。
容赦無くその塊を・・ギリスの心臓を握りつぶす。
それと同時に魔法が発動、ギリスの死体を炎が蹂躙していく。
「さぁ・・邪魔者は消えた。存分に殺し合いをしましょう。」
無造作にギリスの体から腕を引き抜き、手に付着した血を旨そうに舐めるロゼ。
「・・・「鮮血皇女」何故、貴女にそのような二つ名が付いたのか不思議に思っていましたが今の貴女を見て納得しました。」
アルトレアが一歩、ロゼへと近づく。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫