《MUMEI》 『あの、葉子ちゃんのお姉さん、お久しぶり…です。』 麻「あ〜、やっぱり♪葉子の事、本当にありがとね!」 『いえ、こっちこそ嬉しいですっ。』 麻「ちゃんと学校行くようになったもんね〜♪…で、なんでここに君が?」 『これ、あたしの兄…です。』 麻「は?!」 カ「お前らこそなんで仲良さげなんだよ…。これ、妹の一葉。覚えてる?あの時居たろ。」 麻「え?!じゃあ、あの一葉ちゃん…?」 『…はい、麻子さん。』 カ「そう。食い違いばっかりでこのままじゃ埒明かねーから、唯一の証人呼んだの。」 『ごめんなさい、中学に上がる頃には覚えてなかったんです…。』 麻「そうだったんだぁ…。一葉ちゃん!じゃあ一樹に説明してやってよ!」 カ「一葉、麻子に説明してやって。」 麻「だいたいお互い連絡も取ってなかったのに、なんであの体育祭の日気軽に声掛けて来た訳?!」 カ「あのなぁ、済んだ事を掘り返して来たのはそっちでしょ。俺はもう友達に戻れてると思ったのっ。」 最悪。 正直、どっちもどっちじゃんか…! カズ兄は実兄だし、麻子さんは友達のお姉ちゃんだし、両方のプライドを守ってあげたいけど… 要はカズ兄の、女の子の為に良かれと思って、心理を理解したつもりで結果的に傷付ける、優しさと言う名の感さ。 それと麻子さんの、男の子のメンツを保ってあげたいと思って、心理を理解したつもりで結果的に怒らせる、優しさと言う名の不器用さ。 この二つが見事に、本当に見事にズレた結果だった。 と、今になって思える。 …素直になれば良いのに。 『えと、じゃあ…どこから?』 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |