《MUMEI》 『葉子ちゃん、おはよう!あのね、昨日…』 「おはよう、聞いた(笑)」 『あ、やっぱり?』 「うん。ごめんね、あれ煩かったでしょ。」 『うちの兄貴こそ無神経で…はは。』 「一葉は事情知ってたんだ?」 『うん…あの麻子さんとその彼氏とカズ兄が鉢合わせた時、居たもん。』 「うっわ(笑)災難だったね。あたしその後お兄さんがうちに来た時に顔見たんだ。」 『ありゃ〜…恥ずかしいとこを。』 「でもあれって麻子の勘違いが原因でしょ。」 『んーん、カズ兄の説明不足が悪いっ。』 …昨日は延滞延滞で、あの後3時間もあそこに居た。 だから最後の方は暇で、一人で歌ってた。 お母さんが○口百恵のファンだった、と言う佳代がカラオケで十八番にしていた為自然と覚えた、○体絶命を最後に2回歌ってやった。 3人!模様の!絶体絶命! さあさあ!さあさあ! はっきりカタを付けてよ!×3 やってられないわぁ。 カタは付いていない。 状況は違うけど、ぴったり。 お腹空いたけど、お互いの顔見てたらご飯も不味くなるって言うから帰っただけ。 いつの日か第二…正確には第三ラウンドが始まる。 ―部活 7月頭、中体連が目前に迫っていた。 となると、選手メンバーの発表がある。 今日がその日だ。 男子は、3年の中に加え稲田と大が選ばれた。 篠崎は残念ながら…でもまだ入って4ヶ月だしっ。 小池も残念ながら。 そして女子。 男子と違って、3年生だけではユニフォームが余る。 選ばれたのは、まず桐子。 それからサユ、そして… 「…大島。以上だ。」 『はい?』 「一葉、やったじゃん!!」 「一葉さん、良かったですね♪」 サユに真緒ちゃん。 『ホントに?…チビ二人居てどうすんの?!』 「奥永と大島、ちょっと来い。」 広田意味わかんない。 「奥永、お前はボール持ったらとにかくゴール前まで走れ。パス出しても常に前に出てろ。絶対繋げよ、期待してるから。」 「は〜い♪」 「大島はボール持ったらシュートまで考えろ。ちゃんと周り見て、あと自信持って。怖がるな、入るから。」 『は〜い…。』 「ゲームの流れ見て、お前ら二人交互に出すから。頑張ろうな。」 頑張ろうな、だって。 頑張れ、じゃなくて。 …なんか良いな。 俺も一緒に戦ってるから、みたいな。 うん…頑張ろう! 塾長と…ついでに前田さんにも教えてやろっ。 前へ |次へ |
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