《MUMEI》
ぎしぎし
藤田と佐藤が心配になって部活に顔を出してしまった。お節介かもだけど、昔の七生と俺みたいで放っておけない。



「……誰か居ますかー?」

……なーんて。


「……先輩!こんちは」

良かった!藤田も佐藤も以前と変わりなく……ん?

「君達喧嘩中なの?」

「何でですか!!」

佐藤は立ち上がる。

「だって、席が空いてるんだもん。」

いつも机くっつけて向かい合わせなのに、5コ分空けて離れて座っている。

「それは……っ」

言葉に詰まった佐藤の代わりに藤田が口を開く。

「防衛線です。」

実に怪しく笑った。
あまりに爽やか顔だったからつい、一緒に笑い交わしてしまう。

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