《MUMEI》 -莉奈-あの時ひかるが 話しかけてこなかったら 私の高校生活は こんなに楽しくなかったと思う。 一年の夏、 こんなくだらない学校 辞めてやろうって考えながら 誰もいない放課後の教室に ひとり残ってグランドを見てた。 髪の色は茶色で 舌にも鼻にも軟骨にも ピアスを開けて 腰には蝶のタトゥを入れて。 友達なんていなかったし 学校やクラスの厄介者で いつだって1人ぼっちの わたしは一匹狼だった。 だけどあの時 目の前に現れたひかるは 異空間的な空気を放って 喧嘩っぱやい私でさえ 怖かった 「‥お前か、立川って‥」 「おまえ誰だよ」 「‥1人で何してんの?」 「別に‥」 「外れもんて可哀想だな」 「あ?お前黙れよ」 「‥黙んねーよ」 「何様?」 「誰様でもね-よ。お前の味方」 「‥は?」 「友達とか友情とか絆とか、俺にはど-だっていい事。だけど1人よりは2人、外れもんがいれば怖いもんなんてねんだよ。だから辞めんじゃね-ぞ‥」 そう言ってダルそうにふらふら 去って行った。 辞めるなんて ゆってなかったのに 初めて会った奴に いきなりゆわれた。 一度たりともこっちなんて見ないで 入り口のドアに寄りかかったまま廊下の方をみたながら。 前へ |次へ |
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