《MUMEI》

……任されちゃった。


「佐藤、先ずは落ち着け。な?」

佐藤はこっくりと頷く。

「座ろうか。」

そう言うと向かいの椅子に大人しく座ってくれた。



「二人は正式に仲直りした訳ではないんだな?」

質問の間も肩を落とし俯いたままだ。

「怒っているんではないです……だって、藤田が変なことを言ってくるから……っ」


さ、佐藤が可愛い……!

下睫毛が潤んだ瞳を装飾し、頬を赤らめ同じくらい血色の良いぷっくりした唇を震わせている。


「そうか……。藤田が裏切ったってそういうことか……」

だから俺達のこと聞いてきたんだな……。

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