《MUMEI》
「箸の持ち方!!」
「うん!だいぶ上手くなったでしょ?」
裕斗は納豆飯を得意気に楽しそうに食べている。
俺の分も用意されたが納豆は嫌いだから遠慮した。
「ちっとも上手くなってねー!
てか余計変な持ち方になってんぞー、良くそんなんで食えるな…ほらこう持つんだ!」
正しい持ち方で箸をカチカチ鳴らしながら見せてやる。
「ぅうー、これでずっと練習してたのにー…加藤も持ち方おかしかったのか〜!」
俺の持ち方を見ながら必死に修正している。
「これでok?」
「おし、それで食え!」
俺は生玉子ご飯でサラサラと…、裕斗はぎこちない手つきで食べだした。
「あー、これ上手くなるまでは秀幸に会うつもりなかったんだ…」
「何だよそれ、さっきの間違った持ち方マスターしてから会われたんじゃそれこそびっくりだ」
「うん、ハハッ!ヤバいヤバい」
一杯目をたいらげおかわりをしている。
やっぱ若いね〜、最近特に痩せたんだから確り食っとけ!
「おい!じゃー、まさかそれまでは付き合う気なかったって事かよ!!」
「うん、そ!」
「マジっすか、まさかそんな理由で俺は暫くほっとかれてたのか?
はあ、ゆうちゃん…
勘弁してくれよー」
力抜ける、
ああ、
何なんだよ一体!
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