《MUMEI》
記憶
「流紫亜。起きろ」


梨花は誰かの声で起きた。


梨花の目の前に居たのは、悪魔だった。

記憶が戻った訳ではない。…が直感的に察した。

背は低くて、前髪は片目が隠れるくらいの長さ。
横髪は肩にかからないくらい。見た目は男の子で、服装はほとんど黒の物を着ていた。



「久しぶりだね。流紫亜。人間の生活はどうだった?そろそろお前にも仕事してもらわないと。…じゃあ記憶を戻すよ。」




悪魔は梨花に近寄り、梨花の額に手を当てた。



すると忘れていた梨花の記憶の一部が頭のなかで、整理され、戻ってきた。

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