《MUMEI》 ―男子準決勝 元々大して広くもない2階スタンドが生徒でごった返している。 今日は続けざまに北中バド部の試合があるらしく、北中の全生徒が来たっぽい。 もちろん他の部で試合を控えている生徒を除いて。 サユと桐子と歩いていると、前列を陣取った結衣ちゃん達が居た。 ナ「3人とも、頑張ってね!!」 でっかい声だ。 さ「男子だけだから!(笑)」 あたしらが突っ込む前にさつきが突っ込んでくれた。 結「恥ずかしいからナオだけ違う席行って〜。」 佳「言いすぎだから!(笑)」 バレー部は2日目の3回戦目に敗退したみたい。 バスケ部は全員1階に降ろされ、コート脇の観戦スペースで応援する事になった。 Aコート、10時15分から準決勝開始。 決勝戦は明日だから、勝っても負けても今日はこの1試合。 今始まった。 今日は、サユに稲田の良さを見つけてもらおうと思う。 『ねぇサユ、勝てたら良いね。』 「この附属中に勝ったら地区大会優勝したようなもんだしね!」 『稲田上手い!』 「大、腕なっが!」 「よぉ。」 「どぉも〜♪」 『篠崎っ…小池、応援しよ!ほら、稲田が…』 「二人ともお疲れ〜。…あ、惜しかったね。」 「あの10番上手いな。」 「うん、ドリブル速いし♪」 『サユ、今の稲田見た?かっこ良いね!』 「え?真治くん見つけた、あそこ♪」 「今の反則じゃねえ?」 「審判から見えなかったのかもね〜。」 『凄い!』 「うん、今のは稲田ナイスカット!」 「…終了かぁ、悔しいな。」 「俺3年にハグしたい!」 『あぁ…嘘ぉ〜…。でも稲田は輝いてた…ね?!』 「一葉…(笑)」 『ん?何?』 「大島。」 『っわ、稲田!!お疲れ様、今稲田の話してたんだ!』 篠「お疲れ♪」 小「お疲れ様♪」 サ「おつ〜♪」 「さんきゅ♪…大島、お前午後から暇?つーか暇になれ。ちょっと付き合って。」 『いいけど…』 「なら1時に…公園、あの橋の近くの。じゃあ後で。」 『…はい。』 篠「俺も行こうかな〜♪」 サ「篠崎は絶対ダメ。」 小「じゃあ3人で遊ばない?♪」 前へ |次へ |
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