《MUMEI》
それぞれの想い
―公園

この公園は、いつも登校時にナオとさつきとの待ち合わせに使っている橋の、近くにある。

今は稲田と待ち合わせ。

ついでに火事以来自転車を止めている小さな空き地が隣。

篠崎と蜘蛛を捕りに行った公園は学校のすぐ近くので、さつきと行く公園は家のすぐ近くの。


「ごめん、ちょっと急ぎ過ぎたよな。」

『んーん、間に合ったから。て言うか、今日までホントにお疲れ様でした!!』


ご飯食べる余裕はなかったけど。


「お互いな♪特にお前は…っはは!」

『8番の事なら触れないでっ。…それで今日はどうしたの?』

「ごめん(笑)…いや、ただ話したいな〜と思っただけ。」

『うん、何かあるからでしょ?』

「…どうしようかと思って。」

『…サユだ?』

「まあね。いつから知ってんの?」


やっぱり…昨日の今日だもんね。

まだ好きだったんだ…


『あたしは小5かな。…噂で。』

「そっか(笑)…あいつって、かっこ良い顔の奴が好きだよな。」

『…うん。もしかして真治くん…見た?』

「見た見た。ありゃあイケメンだわな。…つーか腹減んねえ?飯食う時間なかったろ?」


ごめんなさい、あたしのせい…。


『…うん、お腹鳴りそう…です。』


腹が減ってはなんとやら!

ちゃんと話すから…


「食いに行こ(笑)」





―カラオケ店

「遅い。」

「まぁまぁ、女の子なんだから。…ほら、来たよ♪」


私が今遅刻ぎりぎりで向かおうとしている場所は、みんなとよく行くカラオケ店。

そこには、待ち合わせをしてる二人の友達が居る。


『ごめーん!待った?♪』

「うん、待った♪」
「全然♪」


なんか知らないけど、篠崎と小池の3人で遊ぶ事になった。


『…小池だけごめんっ。』

篠「おい。」

小「うん、じゃあ入ろうか♪」


…なんかダメ、篠崎。

ラーメン屋で一葉と二人で居るのを見てからだ。


小「じゃあ…とりあず2時間♪これでお願いしま〜す。」


小池が居なかったら絶対来てない。

稲田には悪いけど…

篠崎の目の前で一葉を誘ってくれて、私からMVP。


篠「行くよ、サユ。」

『…は〜い♪』


…別に嫌いだとか、意地悪したいとかじゃないんだけど。

こいつ…大和、分かってて一葉に接してるのかな。


『ユキちゃんう〜たおっ。』

篠「○ディマリか。好きそうだもんな。」

小「サユちゃん待って、まずはお疲れ様の乾杯しよ〜!」



どうするつもりか知りたいけど、一葉にはただ辛いだけの過去。

つまりそれは同時に、篠崎にとってもだ。

…さつきにも。

聞けない。


篠・小・サ「お疲れ〜!!」

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