《MUMEI》
左腕
「あ〜〜くっそ。ワラワラと居すぎだ!!」
ボゴン!!
鞘に入ったままの刀で殴り伏せる。
「下がれ!捕虜の警備に戻れ!!後は私が引き受ける。アルトレア様にもそう報告せよ!!」
ヴィアが馬を降り、セイの前に進み出る。
「コーリア12騎士団「風姫」副団長、ヴィア・ジーレ。素直に剣を捨てるなら、ロゼ皇帝同様、丁重にコーリア教国までお連れするが?」
そう言いながら、剣を構えるヴィア。
「戦う気満々に見えるぜ?」
「・・・返答は?」
「却下だ。」
鞘に入れたままだった刀を抜き放つセイ。
「ネスフェリン皇国特務部隊「ソード」所属、清・深緑。闇を恐れぬならば・・来るがいい!!」
「精神力?本名さえも偽るとは・・貴様、私を侮辱するな!!」
ヴィアがセイに向かって疾走、斬り掛かる。
「清・深緑だ!!アクセントが違うんだよ!!」
うが〜〜と怒りながらも正確にヴィアの攻撃を防ぐ。
ギィン!!
夕闇の中、刀と剣が打ち合わされる度に火花が散る。
ゴッ!!
鈍い打撃音。
「・・・その為の鞘か。」
大きく距離を取ったヴィアが膝を着く。
「この暗闇だ、中々見えるもんじゃ無いだろ?」
得意気に黒塗りの鞘を大きく振るう。
「・・・服が破れるので使いたくは無かったのですが。」
その言葉に合わせるようにヴィアが左手から左肩までの服が千切れ飛ぶ。
服の下、露になった腕には金属に似た質感の黒い棘が林立し、鋭い棘が重なり合うように腕や手を形成していた。
「「リディルの左腕」こちらの通り名を名乗るのは久しぶりです・・」
右腕には剣を、左腕は変異した腕を・・五指を握りこんだ形で構える。
変異した部分は左手の指先から左の肩までの範囲。その部分全てに棘が林立し甲冑の銀色と対を成すように黒く染まっている。
「・・・「変異種」か。」
驚きもせず、セイがヴィアに対して刀と鞘を構える。
「あまり驚かないんですね。」

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