《MUMEI》

「義母さん、私も義母さんの娘で、幸せよ」

私の言葉に

義母は本当に幸せそうに微笑んだ。

そして

ゆっくりと、目を閉じた。
義母は…



『白』

になった。

私は、左手に

「ありがとう」

と言ってみた。

しかし…

左手のあざはいつも通りの色で

『男の人』の声も聴こえて来なかった。



―後に。

その時私は『守護神』として

まだ『目覚め』を迎えていなかった事を知る。

『目覚め』の前に

『剣』が『主』に力を貸すということは

私以外に

前例が無いという事だった。

私は…

この時の事は

私と義母の『絆』が起こした

『奇跡』

だと思った。

そしてこの『奇跡』は、これから先に続くほんの一歩だった。

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