《MUMEI》
赤と黄
部屋に通された私は、とりあえず、置いてある座布団の上に正座した。

座布団は、全部で五枚。

ということは…

私の他に、あと四人座る事になる。

(もしかしたら…)

そのうちの一人は、『父』ではないかと思っていた。
しかし…

「お、いたいた」

明るい声と共に入ってきた
『黄』の『男の人』

と、

無言の

二人の『黄』の『男の人』
は、明らかに『父』と呼ぶには

若すぎる人達だった。

そして、一番後から

『赤』の『女の人』が入ってきた。

…『女の人』は、私と同年代に見えた。

(それにしても…)

四人は、それぞれ『変な生き物』を連れていた。

私の『目』は、人間以外の生き物は、そのままの色が映る…はずだった。

私が目を丸くしていると…
「何よ。あなたも『守護神』なら、『剣(つるぎ』の分身くらい、いるでしょう?」

『赤』の『女の人』は、呆れたように言った。

私は女の人の言葉もよくわからなかったが、何故『赤』なのか、わからなかった。

『赤』は、『怒りの色』だったから。

初対面の人が、こんなにはっきり『赤』だったのは、初めてだった。

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