《MUMEI》

その時。

「うるさいぞ、お前達」

そう言って、戸口に立っていたのは

「神」×4

四人が言うように、

『御剣様』こと

『御剣神』の、ようだった。

相変わらず、私には、彼は、かすんで見えていた。

だから。

『また会ったのう。小娘』

そう言って

御剣君の隣で微笑む『金色の女の人』が、余計にまぶしかった。

「は、はい。あの、あの時はすみませんでした」

私は、深々と頭を下げた。
『よい』

その言葉に、私はホッとした。

そんな私の様子を、特に、三人の男の人が不思議そうに見つめていた。

「おかしいよな」

オレンジ頭の人が、他の二人に同意を求めると、二人は大きく頷いた。

「何が、ですか?」

私は、三人の方を向いて質問した。

「君、神をどう思う?」

オレンジ頭の人が、逆に質問してきた。

私は、改めて、御剣君を見つめた。

(どうって…)

まさか、『かすんで見えます』なんて、言えない私は…

「『すごくかっこいい』んじゃ、ない、ですか?」

と、汐里が言っていた言葉を、言ってみた。

すると…

「なのに、スルーなんだ。面白いね、君」

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