《MUMEI》
D公園
「さぁそわれ〜るま、ま〜に♪」

カラオケには入ってないけど女の子をオトすときの十八番にしている曲をイヤホンに流し、口ずさみながら

「………」

D公園へ着いた。



流石に空も薄暗い。

(鯉に餌………)

優流の言葉がまた蘇り、俺は公園の奥の池へと向かった。



「…………らん。消え失せろ。」

「………!」

話し声が聞こえ、俺は反射的に(疚しいことは無いけれど)木陰に身を隠した。


池を眺めるため備え付けられたベンチに、他人のように距離を置いた二人が座っていた。
(話すなら、もっと近寄りゃーいーじゃん。)
弘毅は肩を竦めた。

そう、不自然に距離を置いて話しているために、会話は弘毅の場所までハッキリと聞こえてくるのだ。



「でも、僕にも…!」

「何度も言わせるな。…お前の様な【雑種】は必要ないんだ。分かったな。」

ベンチから、ひとりが立ち上がった。

すらりとした、スーツの男だった。



「これ以上言うことはない。」

そう言って男はその場から歩き出した。

(うわっ)








…俺の方へ、だ。

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