《MUMEI》 「ま、まさかもう……」 藤田に……? 「えっ……」 佐藤は仄かに顔を赤らめた。〔ぽっ〕という擬音が聞こえてきそうだ。 「キスは?どこまでだったの。腿?それより奥?」 「……桃?置く?」 佐藤が傾げ、露になる首筋に赤い斑点が散っていた。 襟を開く。 「ちょっ……先輩!」 佐藤の意思は取り敢えず無視。 「首以下の場所には何も無かった?」 腹をめくって見ても痣は付着していない。 安心した。 深い安堵の息を漏らす。 「よかったあ!!」 思わず抱きしめる。 自分の子供みたいに佐藤を思っていたみたいだ。 「……先輩?」 ぽかんと口を開けたまま佐藤は固まっていた。 前へ |次へ |
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