《MUMEI》

「この国は地震大国だから、大忙しなんだ」

右近さんが剣を握り締めた。

「最後は、…俺か。名前は必要ないな。来い、『姫(ひめ)』」

『はい、主』

姫と呼ばれた金色の人は、嬉しそうに微笑み…

より一層まぶしい金色の光に包まれ…

黄金の刃を持つ大剣が、現れた。

「これは、火を、水を、地を…『目にうつる物』を全て切り裂く」

「全て…」

「そう」

私の言葉に、神楽さんが答えた。

「だから、神が、最年少で当主になったの。
最強の『守護神』だから」
「最強…神楽、さんは?」
「私は、水だったけれど…左近が生まれた時点で、『守護神』では無くなったわ。

一つの時代に、それぞれの『守護神』は一人ずつ。

一族の中で…もっとも資質のある者のみに、『剣』は生まれ、新しい『剣』が生まれれば、古い『剣』は塵になる」

一人ずつ。

「え?でも…」

火・水・風・地

そして、『目に見える全て』

「…あなたが何の『守護神』かは、まだわからないわ。

予想としては、雷・光・闇が上がっているけれど…

どちらにしても、あなたの『剣』は翔子のように、『目に見えないもの』を斬る確率が高いわ。
…もう、いいわよ」

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