《MUMEI》

バイクを押しながら街に入った。

『いらっしゃい!!』活気に満ちた店の人たちの声が聞こえる。

大勢の人たちの間をぬう。

「これ。おいしそうだね。」果物を手に取る。

『当たり前さ!丁寧に作ってるんだから。』

「じゃあこれを3つください。」

『あいよ!400Gだよ。』

「ちょっと安くならないかな??」

『うーん380Gでどうだい!?これ以上は、ムリだよ!』

「うーん。分かった。」受け取った果物を見ながら帰った。

しなびた果物。これのどこが丁寧に作ったのだか。

この国は、貧乏なのだ。少しでもお金がほしいから。生き延びたいからなのだと思う。

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