《MUMEI》
入学式
入学式も終わり、バス停に向かうと新入生たちでごった返していた。


こんな人混みの中バスを待つなんて…


しかも来るバスにも人がたくさん乗っている。


あんなバスに乗るのー!?ダルッ!!


気分悪くなりそだし、時間かかるけど歩いて帰ろっかなぁ…


そんなことを悩んでボーっと立っていると、ふいに声をかけられた。


「あのー、どこまで行かはりますか?」


ん?私?


振り返ると、可愛らしい顔した男の子がこちらを見ている。


どうやら私と同じくバスに乗るか悩んでいるらしい。

少し話してみると同じ方面に向かうことが分かった。


「なら途中までタクシーで相乗りしませんか?」


突然の彼の提案。


おっと、これは出会いの予感がする…


「それ名案ですね!」


美樹子はウキウキしながら答え、タクシーをつかまえて二人で乗り込んだ。



彼の名は木下敦くん。
兵庫県の西宮から通学するそうだ。


「美樹子ちゃんは経営なんやぁ、俺は経済やで」


「学部違うんだ…残念。せっかく友達ができたと思ったのに…」


「でもかぶってる授業とかあるんちゃう?」


馴れない関西弁に新鮮さを感じながら、可愛らしい敦くんの顔を見て、


敦くんは男友達かな…


などと、すかさず振分けをする。


敦くん・・・顔が可愛すぎるんだよね。


でも初日から出会いがあるなんて、今後の大学生活に胸が高鳴る〜


なんか、かなり興奮状態なんだけど、今晩…眠れるかな…

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