《MUMEI》
クラス発表
今朝は珍しく早起きをしてみた。
というのも、今日はクラス発表の日なのだ。


第一印象は肝心!!


高校生の頃は素っぴんでネグセは当たり前だった私…


さすがに華やかな大学生活を過ごしたいし気合いも入る!






学校につくと基礎演習のクラスが書かれている書類を渡された。


私はJクラスかぁ…
I館の302号室に行けばいいのね。


そして書類に書かれている教室に迷いながら向かう。


そして教室の前に立ち、気合いを入れ直す。


今日からが本番!


緊張しながら教室のドアを開けると、数人がすでに着席している。


パッと教室の全体を見回し、すかさずイケメンチェック。


が・・・気になる男子はゼロ。


と、ドアの所でガックリしていると、


「これって好きな席に座ってもええんかなぁ?」


突然に後ろから女性に声をかけられた。


「あ、はい多分・・・」


振り返ると、声の主は目がクリクリした、かわいい女性だった。


「良かったら、あそこ一緒に座らへん?あ、私は橋本紀子。のんちゃんて呼んでな!」



のんちゃん!?


す、すごい強引な・・・

でも、さばさばしてて性格も良さそうだし、良い友達になれそう。


実は心細かったんだよね。
友達できるか・・・。


「私は大谷美樹子…」


「じゃあミキティや!」


ミ、ミキティって…


そんな可愛らしいあだ名をつけられても…


それにしても、のんちゃんって人懐っこい子だなぁ。




二人で席について教室をもう一度見渡すと、女子の割合が異様に低いことに気づく。


さすが経営学部なだけあるわ。
男子ばっかで逆ハーレムじゃん!!


って、それが狙いで経営学部を受験したんだけどね。


「あんまし…男前おらへんな」


のんちゃんが唐突に言う。


の、のんちゃん・・・


私も思ってたけど、最初からはっきり言うなんて…


やっぱ、そういうのはみんな気になってるんだ・・・。


あーぁ、同じクラスで彼氏候補なしかぁ〜
つまんないの。



と諦めかけたころ、


「ガチャッ」とドアのあく音が。


すかさず見ると、ちょい髪長めな佐藤タケル似の男子が入場!


カ、カッコイィィ☆


妙に目を引くというか・・・お洒落だし・・・大人っぽいし・・・


すっごいストライクなんですけどぉ!!!



その後の自己紹介で、美樹子は佐藤タケル似の彼の順番を待っていた。


狙うは彼のみ・・・


そしてついに彼の順番!!


彼は黒板の前に立って少し恥ずかしそうに自己紹介を始めた。


「鈴木貴司です。・・・山口県出身です。よろしくお願いします。」



山口!!!!


同じじゃーーん。
しかも現役で合格ってことは私と同級生!!!?


山口に彼みたいなカッコいい人がいたなんて意外。



にしても、自己紹介の間中目線がずっと下向きなんて・・・


シャイ?


パッと見、やんちゃで遊んでそうだけど、田舎出身だから素朴なのかなぁ〜


同郷同士、仲良くなれたらいいな・・・


なんて、あんなかっこいい人は私みたいなの相手にしないか・・・

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