《MUMEI》
二日酔い
朝、目が覚めると脳みそが鉛になって、頭の中を転がってるのかと思うくらい、頭がガンガンした。


あぁ、なんか頭が重いよぉぉぉぉっ…
しかも気分が・・・おえっ。

ありゃ、吐き気もする。
これが噂の二日酔いってやつ???
バスで吐いたりしないよね…不安。




「大谷さん」


突然名前を呼ばれた。
声のした方を見ると同じクラスの小川がバス停に立っていた。


「あぁー、小川くん!このバス停?」


「昨日の飲み会で同じ西院やねって話しになったやん」


そ、そうだったっけ・・・?

「覚えてない?」


「いや…えっと…」


しどろもどろになりながら言い訳し・・・


話をすり替えようと、二日酔いでバスの中で吐くのではないか不安だと話したら小川君は笑った。


「大谷さん、見た目と違って面白いね」


見た目?


「清楚なお嬢様って感じなのに、吐くとか言うなんて…ギャップが面白い」


「えぇー!?清楚ぉーっ!!地元の友達が聞いたらビックリするよ」


これは本当に驚きだ!?


「でも昨日の飲み会でみんな言ってたよ。しかも大谷さんはクラスで一番人気!!!」



い、い、一番人気!?☆
私がぁー?


ずっと憧れていた大好きな響き…
こんなにも早く、その座を獲得できるなんて☆☆☆


未来はあかるい!!!


あ、でも一番の座とか狙ってると思われてるのもカッコ悪いし。
ここはギャップ狙いで。



「一番人気ぃー!?みんな騙されてるよ。私は二日酔いのだらしない女だよ。」


言うのをためらったが…勢いのあまり…


「鈴木にはミーハーだって言われるしさ。それ言われて昨日はやけ酒でこの様よ」


「ミーハー?」


小川君は不思議そうな顔をして大笑い。


かなりツボにはまったらしい。




「そうだ!今晩うちにおいでよ」


え?お誘い!?


いきなり男子の部屋に行くなんて…


「大谷さん、料理できないからご馳走して欲しいって言ってたし」


そんなことまで言ってましたか…。


「俺も一人より二人の方が作りがいあるし」


なんて家庭的でいい人なんだ…


「じゃ、お言葉に甘えさせていただきます…」


「また放課後ね!」

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