《MUMEI》

屋敷は『守護神』しか入れないから、セキュリティは必要ないと思うが…

何となく、私は不安になった。

(大丈夫、よね?)

私は一応何度も入口を確認しながら、お風呂場に入った。

お風呂は、丁度いい湯かげんだった。

お風呂から上がると…

布団が用意されていた。

あまりに不自然な展開だが、『守護神』の部屋はこれが当たり前だと、明良さん達が教えてくれた。

食事と洗濯以外は、何の心配もいらない。

屋敷の中は、そんな不思議な空間だった。

(何か…いろいろありすぎて、疲れた)

私は、今日一日の出来事を思い返していた。

施設に別れを告げて。

就職先の内定が取り消されて。

連れてこられた、大豪邸。
それからは、あまりにも、非現実的な展開。

『守護神』に『剣』

それから

『いとこ』に…

一応、『叔母さん』

初めて会う『身内』

そして、今、一つ屋根の下にいるのは

『仲間』だという『親戚』
(とにかく、寝よう)

私は、疲れていた。

心も、体も

そして、深い眠りについた。

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