《MUMEI》 決勝は全部門の準決勝を終えてからだ。 七生が放心状態で戻って来た。 「エースが来たぞー」 東屋が無駄にスキンシップを取りたがった。 七生はシカトこいて隅の席に着いて目を閉じる。 当然、腫れ物扱いだ。 大人しいのは実は話して欲しいからなんじゃないか? 去年は不安でいっぱいで恐れを掻き消そうと饒舌になっていた。 愛想を振り撒いて、虚勢を張って……成長したものだ。 前へ |次へ |
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