《MUMEI》
カラオケにて
料理を御馳走になって以来、小川くんとは何回か遊んだり食事をしたりしている。


けど・・・


回を重ねるごとに、なぁ〜んか違う気がするんだよね…


なんとも説明しがたいけど、友達でも恋人でもないし、しかも、あんまり気が乗らない。


どちらかと言えば、日に日に面倒くさくなってる感じ。


あ、携帯のバイブが・・。。


ブー ブー ブー


ハァ、今晩も小川くんからだ…


「もしもし……ん?カラオケ?………あぁ、鈴木も………了解。も少ししたら出るね」


どうやら鈴木とカラオケ中らしい。



なんで私を呼ぶんだろ?


もしかして小川君の中で私、彼女になってる??


ちょっと勘弁してよー!
あぁ、ダルイなぁ。。。。




カラオケに到着して部屋に入ったら、ちょうど小川君がサザンを熱唱していた。


小川君、歌は上手いけど・・・
あんなに気持ち良さそうに熱唱する姿…なんだか・・・



キモイ!!!



この瞬間、今までのよく分からなかったモヤモヤが、不快な気持ちに確定してしまった。



キ、キモイなんて思ってしまった・・・

で、でもキモイし。

ていうか、今までのモヤモヤは不快だったんだ!



一緒にいても無意識に不快で、だからなんか違うって感じてたんだ。


目の前のモヤが晴れたら、小川君がキモイ奴にしか見えなくなってしまった。



生理的に受け付けない!



小川君がまた歌い出した。



キモイ!声も聞きたくない!



耐えれなくなって鈴木にこっそりと、


「私、帰るね」


とだけ言って足早にカラオケを出た。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫