《MUMEI》
司と優香
―さて、どうしたものか…

司は生い茂る雑草を次々片付けながら、頭を悩ませていた。


庭を探せと指示したものの、それは取り敢えずその場しのぎの言葉だったため、何の根拠も無い上に、アパート内は勿論、周辺だって警察が隅々まで探し回ったに違いない。

そんな場所をもう一度、しかも素人の自分達が探した所で、収穫があるとは到底考え辛かったのだ。


「大丈夫だよ。きっと助かるよ、私達。」


そんな司の不安を悟ったかの様に、優香が優しく声を掛けてきた。


「でも…」


可能性は限りなく低い。


司はそう言いかけて止めた。
生死を賭けたこの捜索を、優香や他の二人も頑張っているのだ。
自分一人だけが弱音をはく訳にはいかない。


「そうだな。助かるよな、俺達…。」


司の言葉に優香はニッコリ微笑むと、また黙々と作業に取り掛かった。



その時だ。



「お前達!そこで何をしている!!」


四人の背後から凄まじい罵声が飛んできたのだ。

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