《MUMEI》

―公園

『…で、こんな時間になるまではぐらかすんだ?』

「だから、そんな人いないし。」

『…んで、ちゃっかりこんなもんは買う、と。』

「だって、夏だし…。」


こいつ、急に花火やりたいとか言い出すし。

ついでに自販機で酒も買った。
(今はめっきり減りましたが)

今は待ち合わせと同じ、公園の中央のベンチ。


『…俺、告白する事にした。』

「ホント?!じゃあ稲田を応援する!」

『おぅ。…溜め込むよりぶちまけた方がすっきりするよ?』

「え…。別にどうしたいとか、なりたいとかじゃないし。」


…いるんじゃねーか(笑)


『ただ好きなだけ?変じゃね?』

「変でもなんでも、そうなの。…てちょっと!ずるい!」

『篠崎だ?(笑)』

「違っ…!」


単純だなおい。

こいつもかなり晩生(おくて)だな。


『よしよし、お互い頑張ろうな♪火ぃ点けようぜ。夜って人を素直にさせる効果あるらしいよ?(笑)』


こんな顔して自身ないとかなのかね?


「…はぁ〜い。でも、内緒ね?」


俺がこんだけ晩生って事はな、つまり…


『大島、あのな…』






―公園

『…で、なにあれ?』

サ「うわあ…。」

小「良い感じ♪」


最悪だ。

見なくていいもんを見ちまった。


『…誰かさんがこんなもん買うのに時間掛け過ぎたせい。』

サ「仕方ないじゃん、急に思い付いたんだもん!」

小「まぁまぁ。みんな今年初なんだから楽しもうよ♪」


つか向こうも花火かよ。

移動して来なきゃ良かった。


『なんでよりによってお前らと…。』

サ「どうする?突撃する?♪」

小「それも良いけど、もうちょっと見てたいよね〜♪」

『アホ言え。…良い感じならそっとしといてやれよ。』


小「わ、あれ!!」


…!

あいつ…あの野郎!


『ちょっと稲田殴って来る。』

サ「お…落ち着いて篠崎っ。」

小「大和待てって!ほら、様子が…。」

『あ?』


…なんで受け入れてんだよ。

なんであいつの胸を借りてんの?

泣いてるくせに!


『…一葉泣いてるじゃねーか。』

サ「悲し涙なのか嬉し涙なのか…。」

小「稲田と結ばれて嬉しいいっちゃんに一票♪」

サ「…。」


こっち見るなよサユ。

別に俺一葉の事…好きじゃないし。


『…っそ。なら邪魔しないように場所変え…』


小「いっちゃーん!♪稲田ー!♪」


『おい!!』
サ「小池!」

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